スケジュール管理

 今、私はたくさんのジョブを抱えている。それはスケジュール管理が出来ていないからだ、と考えている。

 具体的な内容をここに記すことは出来ないが、そのどれもが他者との繋がりを持ち、責任のあるジョブだ。
 ジョブを抱えていると、ものによってはこちらから新たなジョブを提案するようなこともある。よりよくしたい、と考えればそれは自然なことだ。それに、ただ言われたことをやるだけでは、自分である必要はない。

 何故ジョブを抱えるのか。

 勿論、よりよくしたい、という気持ちは嘘ではないがそれは些細なこと。よりよくした人物が私である、という記憶を、関係を、痕跡を残したい。自己顕示欲、それが本来の動機だろう。
 加えて、やはり私だからこその提案、遂行もしたい。これも自己顕示欲に括られる。

 ではどこまで行けば自己顕示欲は満たされるのか。どこまで行けば自己満足出来るのか。
 己の処理能力を超えたジョブを抱えても、それは偉いことでも凄いことでも、がんばっていることでもない。ただの馬鹿だ。己の能力も推し量れないヤツ、自己管理も出来ないヤツ、という烙印を押される。そして、それを知る人間からは適当なジョブと適当な責任しか与えられない。新たな提案をしても却下されるだけだろう。

 話が逸れた。

 何故多くのジョブを抱えるのか。その理由を考えれば、数多く出てくる。その中でも大きなものが、

・担当ジョブのプロジェクトにおけるプライオリティを把握していない
・スケジュール管理のレビューを行っていない
・自分で提案した仕事に対する管理要請をしていない

 ことだろう。

 スケジュール管理は、自分では行っている。しかしあくまで自己管理だ。
 自分の考えるデッドラインと実際のデッドラインは違うかもしれないし、実はやらなくてもいいことを『やってくれるなら』と黙認されているだけかもしれない。
 プライオリティの設定は重要だが、それはあくまで1組織に所属し、1上司が居る場合に設定出来ることではないだろうか。

 複数の組織から複数のジョブを受けた場合、そのデッドラインが同時期だった場合、プライオリティも同じだ。向こうから見れば些細なことかもしれないが、少なくとも私にとっては必ず遂行すべきジョブで、一定のQCDはクリアしなくてはならない。だから、スケジュール管理は表層的なものだ。複数のジョブが重なった時、どうすればいいか。まったく分かっていない。

 次に、自分からジョブを増やしていることだ。前のものが終わってもいないのに、ジョブは増える。そして、明確に要請をされないまま、デッドラインが近づいてくる。そして、私は自己判断においてプライオリティを高め、他のジョブが遅延する。そして、またジョブは増えていくのだ。

 管理してくれないのが悪いわけではない。自分で提案したジョブが口約束とは言えど承認されたならば、QCDを定義し、表明し、あとは己で遂行するまで。それが今は出来ていない。ただ自己裁量において、なんとか倒れないように自転車を漕ぎ続けているような状態だ。

 目的地は一応ある。だが、己の漕ぐ自転車が別の方向へ向かってしまっても、倒れないように漕ぎ、軌道修正をしなくてはいけない。しかし……今は倒れないように漕ぐだけで精一杯だ。どんどん目的地から離れていくことが分かっても。

 自転車を一度降りて押してみるのもいいかもしれない。軌道も真っ直ぐ目的地へ向けることが出来るだろう。しかし、倒れないように抱えていたジョブは、全て倒れ、失敗し、信用をなくす。まだ私にはそこまでの勇気はない。


 一度ジョブを整理したい。そうは思っても提案したいことは出てくる。ジョブは溜まり、増殖する。

 この悪循環を脱せられる日は、いつだろうか……